結納から結婚式までの流れ

結婚式までの流れが分かる。準備、当日の服装・口上・段取り、結納返しやお土産など正式なやり方に沿って解説。

結婚式までの京都における最も正式な流れを解説してまいります。
「簡単にすませよう。」と考えていらっしゃる方も、是非ご一読下さい。

何もわからずに、「簡単にすませよう。」としますと、何をどう省いて、
簡単にするのかわからず、かえって戸惑ってしまっている方がいらっしゃるので、
よく理解した上で、両家に合うようアレンジして下さい。

お仲人が両家を往復して取り交わす結納の、最も正式な取り交わし方についてです。
結納納めは結婚式の3~6ヶ月前の大安の午前中の行います。

扇子交換


扇子交換とは、お見合いの席で、
ご本人様の「このお話を決めます。」と言う意志表示として、
互いの扇子を交換しました。

このようなことから、見合い扇子とも言われています。
最近では、ほとんど交換される方はございません。

海外転勤などで結婚式まで1年以上ある場合など、何の約束もないままでは
不安と思われるような時に交換されることがございます。

見合い扇子 見合い扇子 緑

この中に扇子が入っています。

結納金


結納金は一般的には、本人のお給料の3倍くらいと言われ、100万円が一番多いです。

お家の事情とか、相手側ことなどもありますので、
一概にこれでなくてはいけないと言うことはありません。

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結納品


結納品は一般的に、結納金の一割くらいのセットを揃えると良いと言われています。
これも一概にこれでなくてはいけないと言うことはありません。

結納品は、五品、七品、九品のように奇数で揃えます。
基本になるのは、次の五品目です。

結納セット

一、熨斗   一連(上段右 鶴)

一、末広   一対(上段左 亀)

一、帯地料  一封(下段右 松)

一、柳樽料  一封(下段中 竹)

一、松魚料  一封(下段左 梅)

この他に、指輪、高砂人形、友白髪(麻)、
子生婦(こんぶ)、寿留女(するめ)、富久呂帯(ふくろおび)、
白生地、銚子などを添えます。

帯地料の祝儀袋に結納金を入れ、
それとは別に結納金の一割を7:3の割合で柳樽料と松魚料の祝儀袋に入れます。
たとえば、帯地料(結納金)が百万円の場合は、
柳樽料は七万円、松魚料は三万円になります。

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手前にある黒いお盆にのっているのが目録です。
これは結納品の納品書のようなものです。

宛名は、親から親へ宛てて書く方が良いでしょう。
関東では本人宛てで書くことが多いようです。

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家族書 親族書


家族書には本人と一緒に住んでいる家族の名前と本人との続柄を書きます。
兄弟姉妹で、すでに結婚して別に住んでいる方は親族書に書きます。

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親族書は本人からみて伯父・伯母(父母の兄弟姉妹)、祖父母などを書き、
続柄と住所を書き入れます。

父母の兄弟姉妹で、父母より年が上の方には、伯父・伯母、
年が下の方には、叔父・叔母の字を使います

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>>>親族書の購入はこちら

これらは上記の目録の下に入れます。

京都では、ほとんどの方が家族書、親族書をつけられます。

身上書あるいは釣書と言われるものとは別物です。
身上書とは、本人のことについて書いたもので、これを見て、お見合いをするかどうか決めたものです。

>>>身上書について詳しくはこちら

結納の内披露


新郎側では、結納品の品揃えがすみますと、結納当日より前の吉日を選び、
仲人、親戚、知人などに披露します。

内披露に招かれた方は、手土産程度のものを持参すると良いでしょう。

広蓋 袱紗 風呂敷


目録、家族書、親族書の入った片木は、広蓋にのせ、
その上に富久沙(紋を上)をかけ、縮緬あるいは八反の風呂敷で包み、
さらに、二重に家紋入りの風呂敷で包みます。

広蓋、袱紗、家紋入り風呂敷は別誂えの場合ですと、
1カ月ほどかかりますので、早めに準備しましょう。

>>>結納の持参の仕方について、詳しくはこちら

【広蓋】黒塗りの家紋入りのお盆  

>>>広蓋の購入はこちら

【富久紗】塩瀬、羽二重、綴れ織などで家紋入りのもの

>>>ふくさの購入はこちら

【風呂敷】白山紬で家紋入りのものと、八端の風呂敷

>>>風呂敷の購入はこちら

結納品は箱に入っていますので、
この箱は4巾、5巾など大きめの木綿の唐草などの風呂敷で包みます。

風呂敷 綿

受書


新婦側では、受書、家族書、親族書、お多芽紙、お多芽を用意します。

受書とは新郎側の目録に対するもので、領収書のようなものです。

お多芽として、結納金の1割を入れ、仲人様に結納の日の御礼として渡します。
このお多芽と結納返しを混同されている方が多いのですが、
別物ですのでご注意ください。

最近では、仲人様がいない場合がほとんどですので、
お多芽用の祝儀袋をつけておりません。
>>>受書について詳しくはこちら

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>>>お多芽について詳しくはこちら

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結納品の飾り方


新婦側では、床には、おめでたい掛け軸をかけ、毛氈を敷いておきましょう。
結納のじゃまにならないところに、
若松あるいは実のなる花(南天・千両など)などを活けておきます。

毛氈を敷いておくと、新郎側がどこに飾ったらよいか迷わないで飾れます。

床の間がない場合は、適当な台に毛氈を敷く、
台がなければ箱や本などを置き、その上に毛氈を敷くとよいですね。

和室もない場合は、
サイドボードやテーブルに毛氈をテーブル掛けのようにしてもいいですね。

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飾り方は、ほぼ、目録に書いてある順番に右から並べ、
熨斗、末広、高砂など祝儀のものは上段に飾り、
お金、指輪などは下段となります。

結婚式まで飾っておきますが、結婚式までかなり期間がある場合は、
一旦、片付けて、1ヶ月前くらいにまた飾ると良いでしょう。

結婚式が終われば片づけますが、お嬢様がいなくなって寂しくなりますので、
しばらく飾っておかれるお家もございます。

高砂人形は、「共に白髪になるまで仲良く」の縁起物ですので
新郎様・新婦様の新居に飾っても良いですね。

また、 松竹梅・鶴亀などおめでたい飾りは
お正月、慶事の時に飾ってもいいですね。

結納飾りは1回限りのものですので、使い回しはしてはいけません。

服装


正式には礼装です。

一般的には、男性は黒のダブルか,黒または濃紺の背広。
女性は、振袖、一つ紋の無地か付け下げ。

事前に両家で打ち合わせておくと良いでしょう。
各自、扇子を忘れないように注意してください。

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当日


【婿方】

婿方では、結納品を飾り仲人を待ちます。
仲人が到着したら、結納品の飾ってある部屋へ案内します。
この時何もしゃっべてはいけないと言いますが、
「おめでとうございます。」程度はかまいません。

仲人が座につきましたら、婿方の父親が扇子を前に置き挨拶をします。
「本日は、お役目大儀に存じます。とり揃えました結納、目録の通りでございます。
お改めの上、よろしくお願いいたします。」

仲人は、まず目録に目を通し、次に結納金、指輪などにも目を通し、挨拶します。
「確かに目録通りお預かり致しました。○○様にお納め致します。」

この時は、昆布茶と紅白の引き菓子程度でもてなします。
時間帯によっては、簡単にお酒とお赤飯程度をお出ししても良いでしょう。

飾ってある結納品を箱に納め、唐草などの風呂敷で包み、
目録、家族書、親族書をのせた片木は、
広蓋にのせ、富久沙を掛け、風呂敷で二重に包みます。

仲人はこれらを持って、嫁方へ出発します。

【嫁方】

嫁方に仲人が到着しますと、ここでも簡単な挨拶をして、結納品を飾る部屋へ案内します。
仲人は、部屋に入りますと、すぐ結納品を飾り付けます。

嫁方は結納の飾り付けを見ていてもかまいませんが、別室にいて、
頃合いを見計らって、嫁方が部屋に入ります。

仲人は、目録などをのせてある広蓋の風呂敷を一枚はずして、
父親の前に差し出し、挨拶します。

「本日は、お日柄もよろしく、おめでとうございます。
ご丹精にお育てのお嬢様と○○様とのご結婚をご承諾いただきましてありがとうございます。

結納の品々を持参致しましたので、お改めの上幾久しくご受納下さい。」

これに対し父親は、
「誠に、結構な結納の品々を頂きましてありがとうございます。
幾久しくご受納致します。」と答えます。

次に目録に目を通し、結納金、指輪などにも目を通します。
この時、別室にもって入ってもかまいません。

昆布茶と紅白の引き菓子を出し、一息入れて頂きます。

受書、家族書、親族書、お多芽紙、お多芽をのせた片木を、婿方の広蓋にのせ、
仲人の前に差し出し、挨拶します。
「結納の受書でございます。よろしくお願い致します。」
仲人は、「確かにお預かり致します。」と答え受書に目を通します。

続いてお膳に付いていただきます。
お帰りの前に、実費程度の御車料を切手盆にのせ渡します。

【婿方】

仲人は婿方に戻り、受書を差し出し挨拶します。
「ただいま、結納の品々を○○様にお納めしてまいりました。
これは受書でございます。」

父親は、
「お役目ご苦労様でした。受書確かに頂きました。」と挨拶し、
受書に目を通します。
お多芽紙とお多芽を仲人にお礼として渡します。

お膳は嫁方で頂きますので、御膳料として、実費程度の御車料とともに、
切手盆にのせ渡します。

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荷出し


荷出しは結婚式の1~2週間前に行います。

嫁方から荷物目録と袴料(嫁方からの結納)、婿方の家族へのお土産を
持参します。

婿方では荷受書と袴料の受書を準備しておきます。
嫁方の家族へのお土産はお里帰りのときに持参します。

荷物目録


大きな家具、調度品などを奇数になるように書き、
宛名は結納の時と同じようにします。

 

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婿方では、荷物の受書を用意します。

結納返し(袴料)


嫁方からの結納ですので、婿方からのものより少し控えめのものを用意します。
基本の5点のほかに
時計、ネクタイピン、スーツなどを添えられることもあります。
婿方からの結納の帯地料のところが袴地料となります。

婿方の金額の一割を入れます。たとえば、婿方の帯地料が百万円の場合、
袴地料が十万円、柳樽料が七千円、松魚料が三千円となります。

羽衣 オリーブ

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婿方では、結納と逆になりますので、この結納返しの受書を用意します。
受書、お多芽紙、お多芽を用意し、お多芽には袴料の一割を入れます。

お土産


家族へのお土産とご先祖様へのお線香などのお土産を用意します。
お土産には、水引を掛け、上に寿、下に本人の名前を書き、
左上に家族の名前を書きます。

荷出し当日


結納納めのときと逆です。

【嫁方】

仲人は袴料、荷物目録、お土産を預かり、荷宰領、お手伝いの人達と
荷物とともに出発します。

【婿方】

婿方に到着しますと、仲人は袴料の品々を飾り付け、
広蓋に袴料の目録、荷物目録、お土産をのせ、これを父親の前に差し出し
挨拶します。
父親は、袴料の受書、荷受書を差し出し挨拶します。

仲人、荷宰領にお膳をだし、御車料を渡します。

【嫁方】

嫁方に戻り、袴料の受書、荷受書を差し出し挨拶します。
袴料の受書のお多芽紙、お多芽を仲人に渡し、 御膳料、御車料も渡します。

運転手、お手伝いの人達には、御祝儀、御膳料を嫁方、婿方ともに同額くらい渡します。

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結婚式後


この後、結婚式となります。
新婚旅行から帰ってから、両家で仲人に御礼を持参します。

新婦が里帰りする際に、新郎側から新婦の家族へお土産を持参します。

以上が京都における最も正式なやり方です。