結納返し
結納返しとは、新婦側からのご結納です。
結納返しは袴料(はかまりょう)とも呼ばれ、
「新郎の袴をこのお金で買って下さい。」と言う意味で 贈ったものです。
袴料とは?
新婦側からのご結納(=結納返し)です。
結納返しは袴料(はかまりょう)とも呼ばれ、
「新郎の袴をこのお金で買って下さい。」と言う意味で 贈ったものです。
受書と混同される方が多いのですが、受書とは別のものです。
受書は新郎側から「確かにご結納の品々を受け取りました。」
と言う領収書のようなものです。
>>> 受書についてはこちら
いつ結納返しはするの?
関西では、荷出しの際に荷物目録と袴料を持参したものです。
結納当日は受書だけを用意すれば良く、頂いた結納品を見てから、袴料を用意していました。
最近では、荷出しをすることも少なくなってきましたので、結納の当日にお渡しすることが多くなっています。
荷出しをしなくても、結納後に、改めて、袴料を持参してもかまいません。
忙しい現在では、何度も行ったり来たりするのは面倒だと思われますが、何度も、会ってコミュニケーションを取ることによって、お互いのことがよく分かり合えるようになると思いますので、面倒がらずにやりましょう。
袴料の金額は? 相場は?
袴料は関西では結納金(帯地料、小袖料)の1割を入れます。
関東では、半返しです。
腕時計やスーツなどを袴料にしてもいいの?
新郎側から、婚約指輪を頂くことが多いので、そのお返しとして、腕時計やスーツなど新郎が喜びそうなものを選んでも良いでしょう。
また、新郎の希望でゲーム機を袴料にされた方もございますので、新郎に希望を尋ねても良いでしょう。
最近では略式が多いので、袴料はなしで、腕時計やスーツなど記念品のみを贈る方も多いです。
スーツなどを贈る場合、結納返しの当日までに間に合わない時は、目録だけをお渡しして、出来上がる日を事前にお伝えしておきましょう。
結納返しセットの選び方
新郎側からの結納品よりも派手になってはいけません。
同程度か控えめにします。
新郎側のものより派手になってしまうと、恥をかかせることになりますので、これだけは注意して下さい。
関西では、下の左の写真のように新郎側から7品の結納飾りを頂いたなら、同じ7品でも、少し控えめの飾りにするか、あるいは右の写真のように5品にします。
関東ではお祝いし合うと言う意味で、同じ飾りを使うのが一般的となっています。
婿養子様の場合
婿養子様の場合は、普通の結納と逆になります。
新婦側から、まず新郎側へ結納を贈ります。
この飾りにはグリーンの紙を使います。
結納返しを新郎側から新婦側へ贈ります。この飾りは赤の紙になります。
当店の結納返し一覧にあるものはお返しですので、簡単なセットになっています。
婿養子様の場合は、赤い結納セットをお買い求め頂き、
「備考」欄に、「養子用の結納に変更して下さい。」と
ご記入頂ければ、緑の紙に変更致します。
その他
同じ地方の方同士の場合は問題ないのですが、両家が全く違う地方の場合は、各自の地域の風習にそって結納セット、結納返しセットを用意するのが基本です。
ですが、例えば、新郎側が関東、新婦側が関西の場合は、
結納金の1割を返せば良いのか、半額を返せば良いのか迷うと思います。
新郎側は半額が返ってくると思っているのに、
新婦側は1割の金額だけ返すとトラブルが起きる可能性がありますので、
金額について両家で話し合ってください。
結納返しの目録とは?
目録は、納品書のようなものです。
新郎側から頂く結納に目録が付いている場合は、結納返しも目録をつけると丁寧です。
最近では簡単なものも増えていますので、新郎側からのご結納に目録が付いてない場合は、
新郎側よりも丁寧になることは新郎側に恥をかかせることになりますので、
目録をつけてはいけません。
目録は後々まで保存しておくものですので、毛筆で書くのが正式です。
お名前について
差出人の名前と、受取る人の名前(「様」など敬称付き)を書きます。
名前は父親同士にするか、本人同士にします。
結納は婚約を正式なものとするものですので、父親同士のお名前をおすすめしますが、新郎側から頂く結納の目録に本人同士の名前が書かれていた場合は、それに合わせて結納返しの目録も本人同士の名前にしたほうが良いです。
目録に名前を書きますので、袴料を入れる袋には名前は書きません。
日付について
結納返しの日付は、通常は○年○月吉日のように書きます。
その日までに完成しない記念品の場合でも、
その品名と数量(例:十慶 壱個)を書き、結納返しをする日付を書きます。
間に合わない場合は、その旨を先方に伝えておきましょう。
当て字について
寿恵広 (すえひろ) 一対 (※当店では「末廣」と書いております)
優美和 (ゆびわ) 一環
十慶 (とけい) 一個
※お店によって、別の当て字を使うこともございます。
むやみに当て字にすれば良いわけではありません。
上記のようなよく使われる当て字ならよいのですが、 ご自分で新しく当て字を作る場合、相手にとっては、何と読んでよいのか分かりにくいので、分かりやすくするためには当て字を使わないほうが良いこともあります。
スーツや背広などは、当て字を使わずにそのまま「スーツ」や「背広」と書いております。
↑熨斗・末広を付けず、背広だけお渡しする場合の目録
目録の書き方
下の目録は、
熨斗(のし)・末広(扇子)・袴料(結納返しのお金)の3点です。
上包みの中に、目録(中入れ)を入れます。上包みには「寿」と書きます。
「右之通幾久敷芽出度 御寿納被下度候也」は、
「みぎのとおり いくひさしく めでたく ごじゅのうくだされたく
そうろうなり」と読みます。
目録には金額は書き入れず、中包みの表に書きます。
金額が5万円の場合は、「金五萬圓也」のように書きます。
目録に「袴料(はかまりょう)」と書いた場合は、
袴料を入れる祝儀袋にも「袴料」と書きます。
目録を書く紙
奉書を2枚重ね、縦長になるように半分に折ります。
この時、「わ」が下になるように(「わ」が手前になるように)します。
そこから三つ折りにします。
目録は納品書のようなものですから、贈り物ではないので、
本来は上包みに水引を結ばなくても良いのですが、
最近は水引を結んだ上包みが一般的になっています。
当店では、目録の用紙には手漉き奉書を、目録を入れる上包み(外包み)には
手漉き檀紙(だんし)を使用しています。
受書とは
受書とは、『結納を確かに受け取りました。』と言う
領収書のようなものです。
昔はお見合い結婚が多く、この場合は、お仲人さんがご両家を往復して、
結納納めをしていました。
お仲人さんはご結納品を新郎側から預かって、新婦側に届けるわけですから、
新郎側からの目録(納品書のようなもの)に書かれている品目がきちんと、
すべて揃っているか確かめ、新婦宅へ届けます。
そして、新婦側は目録通りのものがすべて届けられていることを確かめ、
領収書のようなものである受書をお仲人さんに渡していました。
ですから、 ご結納を頂いたら、受書はお渡しすべきものです。
ところが、最近では、このお仲人さんがなく、ご両家だけで結納をすることが多いため、
「受書は必要ないのでは?」と思われる方も多いようです。
でも、ちょっと待ってください。
コンビニで買い物をして、たいした金額でなくてもレシートをもらいますよね。
これはなぜ?
後で、「お金を払った」、「もらっていない」 などのトラブルを避けるためですね。
結納となると、結納金だけでも相当な金額になりますし、
さらに婚約指輪となると、かなりの金額になってしまいます。
新郎側が、新婦側を信頼していて、そんなトラブルなど起こりえないから、
「受書なんていりませんよ。」と新婦側に伝えても、
新婦側としては、「いらない」と言われても、これだけのものを頂くのだから、
「本当に受書を渡さなくてもいいの?」と、かえって、戸惑われ、悩まれる方もございます。
昔からのしきたりに従う方が、結婚式までスムースに事が運ぶと思います。
受書の用意はどうすればいい?
受書は用意しなければいけないのはわかったけれど、
いったい何を頂けるのかわからない?さあ、どうすればいいのでしょうか?
受書は新婦側で用意するものですが、新婦側では目録の内容がわからないですね。
昔は、その場で書いたものですが、今ではそんなこともできません。
事前に、新郎側に 「受書の用意をしたいと思いますので」 と言って
目録の内容をお尋ねください。このように尋ねることは失礼にはなりません。
宛名と差出人がお父様同士の場合とご本人同士の場合がありますので、
宛名についてもお尋ねください。
目録にはお父様同士の名前なのに、受書ではご本人同士のお名前にするのは避けましょう。
どうしても目録の内容が分らない場合は、「目録之通(あるいは御結納の品々)幾久敷受納仕り候也」
と書きます。
新郎側で受書を用意する場合
新郎側が目録の内容がわからないから、気を利かせて、用意する場合も有ります。
この場合は、せっかくの結納だから、新婦側で受書を用意したいと考えている場合も
ございますので、念のため、新婦側の了承を得た上で受書をご用意下さい。
新婦側では、本当に何も用意しなくてよいのか、戸惑われますので、
早めに新婦側に受書の用意をすることを伝え、できれば当日より前に渡しておきましょう。
新婦側では新郎側が用意した受書ですので、受書を確かめたしるしに、
新婦側のお名前の所に、判を押してお渡ししましょう。
目録がない場合
略式の場合、目録がない場合もございます。
この場合は、受書を渡すことは新郎側よりも丁寧になり、
新郎側に恥をかかせることになりますので、受書を渡してはいけません。
ここで、新郎側がさらに、「結納返しもいらない」と新婦側に伝えますと、
新婦側では、本当に何もできなくなるため、とても悩まれる方がございます。
ですから、結納には目録をつけることをお薦めいたします。
受書セットはどんなもの?
お受書セットの基本は
受書、お多芽紙(おためがみ)と、これらをのせる片木(へぎ:白木の台)
です。
受書は贈り物ではありませんので、熨斗、末広は本来必要ありません。
ただ、豪華な結納を頂いた場合はおめでたいものですので、
熨斗、末広の付いた豪華な受書も ご用意しております。
結納返しは緑の紙になるのですが、なぜか昔から、受書の紙の色は、結納の場合も結納返しの場合も赤で良いので、 どちらにも使って頂けます。
ただ、最近では、他の結納店では緑の受書にしているところもございます。
当店でも、ご要望がありましたら、緑の紙への変更はできます。
>>>受書セットの購入はこちら
お多芽紙とは
昔は、お重箱にお菓子などを入れ、これを贈り物(御祝など)として頂いた場合は、
「このお重箱をきれいに洗ってお返しします。」という意味を込めて、
このお重箱に真っ白の紙である半紙、 懐紙などを入れてお返ししていました。
このようなところから、贈り物を頂くと、半紙、懐紙、奉書などをお多芽紙として、お返しするようになりました。
最近では、お仲人さんがいないので、このお多芽紙も要らないのではないかと
思われる方がいらっしゃいますが、当店ではこのような理由からお多芽紙をおつけしています。
お多芽
お多芽と言うのは、お多芽紙とは別のもので、結納金の1割を入れます。
これは仲人さんの当日の御礼になるものですが、
最近では結納の際に仲人さんがいない場合がほとんどですので、
この1割を入れる祝儀袋をセットにはつけていません。
お仲人様がいらっしゃる場合は祝儀袋が必要ですので、別途ご注文下さい。
新婦側ではこのお多芽を、受書と共にお仲人様にお渡します。
その後、新郎側が一旦、全部受け取り、このお多芽を当日の御礼としてお仲人様にお渡しします。
また、昔は丁稚さんが、ご主人のお供をして贈り物を持参していたので、
お駄賃をわたしていました。
これが1割をお多芽として入れるようになったはじまりなので、
交通費のような意味合いもあります。
ですから、新郎側が遠方から来られる場合などは、交通費程度を入れても良いでしょう。
結納返しと受書
関西では結納返しにも1割を入れ、受書のお多芽にも1割入れるため、
結納返しと受書を混同している方がいらっしゃいますが、別のものですので、
ご注意ください。
新郎側から、「受書やお返しなどいっさい要りません。」
と言われる場合が結構あるのですが、これは新婦側に失礼になります。
受書の書き方について
受書は宛名と文章が変わるだけで、新郎様から頂く目録の品物は同じです。
奉書2枚重ねで半分に折り、「わ」を下にして書きます。
受書の上包みの表には【上】、
お多芽紙、お多芽(祝儀袋)の表には【寿】
と書きます。
目録に
「一 熨斗 壱連」 「一 末廣 壱対」 「一 帯地料 壱封」
と書いてあったら、
受書も
「一 熨斗 壱連」 「一 末廣 壱対」 「一 帯地料 壱封」
のように、同じように書きます。
目録の差出人が山田太郎、宛名が鈴木一郎様になっていた場合、
受書の差出人は鈴木一郎、 宛名は山田太郎様になります。
「右之通幾久敷芽出度受納仕り候也」は
「みぎのとおり いくひさしく めでたく じゅのうつかまつり そうろうなり」
と読みます。
どうしても、目録の内容が分らない場合は、右上の写真のように、
「目録之通(あるいは御結納の品々)幾久敷受納仕り候也」 と書きます。
お多芽紙受書(うけしょ)の上包みには「上」、お多芽紙には「寿」を書きます。
お多芽(おため)とは
おためとは、結納、結婚祝いなどの贈り物を頂いた時、
半紙に添えてその1割の金額を入れてお返しするものです 。
「おうつり」とも言います。
また、結婚祝いの時のお返しは特に「夫婦紙(めおとがみ)」とも言います。
結婚祝いの時とその他のお祝の時では、お多芽の紙の折り方が違うためです。
結婚祝いの時は抱き合わせと言う折り方にします。
お多芽の由来
昔は、お重箱にお菓子などを入れ、これを贈り物(御祝など)として頂いた際に、
「このお重箱をきれいに洗ってお返しします。」という意味を込めて、
このお重箱に真っ白の紙である半紙などを入れてお返ししていました。
この「真っ白な紙」と言うのが、重要なポイントになります。
このようなところから、贈り物を頂くと、
半紙や懐紙などをお多芽紙としてお返しするようになりました。
また、昔は、丁稚さんがこの贈り物を持って、ご主人様の御供をしたので、
丁稚さんにお駄賃を渡していました。
このようなところから、半紙などのお多芽紙と共に、
1割のお金をお返しするようになったのです。
そのため、この1割のお金には交通費的な意味合いもあります。
京都では、交通費の意味から、誰から贈り物を頂いても、1割のお金を入れます。
大阪では、丁稚さんのお駄賃と言うことから、
目上の方に、お金を入れるのは失礼にあたるとして入れません。
お多芽紙として使う半紙について
半紙という語源は小形の杉原紙を半分に切ったところから、半紙といわれるようになったようです。
この杉原紙とは、鎌倉時代以降、播磨国杉原谷村(兵庫県加美町)で漉かれた紙なので、
杉原紙、すぎはら、などと呼ばれています。
奉書紙風でやや薄く、武家の公用に用いられ、また贈答品ともされていました。
このような事から、お多芽に使われるようになったようです。
結納のお多芽
結納のお多芽紙は受書セットに含まれています。
写真の上にあるのが、お多芽紙です。
新婦側では、お多芽紙に添えて結納金の1割のお金を、
受書と共にお仲人様にお渡しします。
新郎側では、この受書と共に一旦受け取った後、結納金の1割のお金を、
当日のお仲人様の御礼としてお渡しします。
お仲人様がいない場合は?
最近では、お仲人様なしで、結納を取り交わされる方が多くなりました。
そのため、この結納金の1割のお金の行きどころがなくなってしまいましたので、
お金は渡さなくてもかまいません。
前述の通り、この1割のお金は交通費的な意味合いもあります。
そのため、新郎側への交通費と考え、新郎側が遠方から来られる場合などは、
交通費として渡されても良いでしょう。
※このお多芽に入れる結納金の1割のお金と、
新郎側へ差し上げる結納返し(袴料)は、まったく別のものです。
これらを混同されていらっしゃる方が多いので、ご注意下さい。
お多芽は、あくまで結納に対するお返しです。
「結納返し」とは言いますが、これは新郎様への結納、つまり贈り物です。
お多芽は省略してもかまいませんが、「結納返し(袴料)」は簡単なものでも贈る方が良いでしょう。
結婚祝いのお多芽
結婚祝いを頂いたら、お多芽をお返しします。
ポチ袋がついていますので、これにお祝の1割を入れてお返しします。
最近では自宅に結婚祝いを持参することが少なくなり、お多芽を渡すことも減っています。
結婚式場で、「結婚祝いを頂いた時には返さなくても良い」と言う人もいますが、
本来は、お多芽をお返しすべきものです。
また、結婚式場へお祝を持参するのは、遠方の方や関東での風習であり、
関西では、自宅にお祝を持参するのが正式です。
さらに、京都ではお祝と言えども、目録も書いて、広蓋(ひろぶた)にのせ、
袱紗を掛けて、風呂敷に2重に包んで、服装もきちんとして、持参するのが正式です。
結婚祝いをこのように広蓋にのせて頂いた場合は、先方様の広蓋にお多芽をのせてお返し下さい。
また、祝儀袋だけで頂いた場合はご自分の切手盆にのせてお返し下さい。
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